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2009年01月29日(木) 21時16分

日本側、乗組員と面会 境港カニ船、露当局は捜査開始中国新聞

 【モスクワ29日共同】鳥取県境港市の水産加工会社「日吉水産」所有のカニかご漁船第38吉丸よしまる(一二二トン、安藤正史あんどう・まさふみ船長ら十人乗り組み)がロシア国境警備当局に拿捕だほされた事件で、在ウラジオストク日本総領事館の職員が二十九日、第38吉丸が入港しているロシア極東沿海地方のナホトカで、船越信弘ふなこし・のぶひろ漁労長(64)と面会した。

 面会は日本時間の同日午後一時ごろ、港に近い施設で約一時間にわたって行われた。船越漁労長は、安藤船長ら乗組員全員の健康状態などに問題はないと述べた。

 一方、ロシア国境警備当局は二十九日、ナホトカ港に連行した同船の捜査を始めたと発表。

 当局は違法操業の疑いがあると主張しており、漁獲許可の書類を持たずにロシアの排他的経済水域(EEZ)に入った理由などについて安藤船長らから事情聴取し、積載している漁獲物を調べると説明。船長は冷蔵のカニ、三百ケース以上を積んでいると申告したという。

 日本総領事館によると、第38吉丸は二十八日夜ナホトカ港に接岸。職員は船を現認したが、乗組員との面会が許されず、二十九日にあらためて折衝した。

 鳥取県によると、第38吉丸は二十七日、境港市の北約四百八十キロの「北大和堆やまとたい」と呼ばれる水域で拿捕された。日吉水産によると、同船は漁を終えて停泊中、ロシアのEEZに流されたことに気づき、戻ろうとした際に臨検を受けたという。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901290317.html