「円天」と呼ばれる独自通貨や高額の配当と引き換えに会員5万人から出資金を集めていた「L&G」(東京・新宿、破産手続き中)の債権者集会が28日開かれ、破産管財人が、一昨年10月の破産申し立ての段階で同社の資産が約2億円にとどまっていたことを明らかにした。
同社が集めた出資金は2260億円を超えることも判明。警視庁は、波和二会長(75)ら同社幹部が、会員から募った資金を高額の配当にあてる自転車操業を続けていれば、いずれ経営が破綻(はたん)すると認識していたとみて詐欺容疑で調べている。
破産管財人によると、1987年に設立された同社は、98年の決算時、健康食品の販売などで2億円の利益を計上していた。しかし、翌99年には1億円の赤字に転落。2001年から、「1口100万円で年36%の高額配当」などとうたって会員を募り始めた後も、赤字は拡大し、02年の損失は14億円だった。赤字はその後も増え続け、会員への配当を停止した07年には224億円に上っていた。
その結果、同社は01年以降、2260億円以上の出資金を集めたにもかかわらず、破産を申し立てた時には、同社の銀行口座などに約2億円しか残っていなかった。会員から集めた資金のうち、未返還金は870億円に上るとみられ、最終的に回収できる資産は、役員の不法利得の還付分などを合わせても4億円程度しか見込めないという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090129-OYT1T00013.htm?from=main3