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2009年01月29日(木) 02時30分

<不動産売買偽造>入金先に組関係企業 宮崎容疑者ら指示毎日新聞

 東京・南青山の不動産売買を巡る売買契約書偽造事件で、逮捕された無職、宮崎勝儀容疑者(70)=横浜市瀬谷区=らが転売交渉をしていた港区の不動産会社に対し、手付金の3億円の入金先を指定暴力団山口組の傘下団体と関係がある不動産会社の口座に指定していたことが捜査関係者の話で分かった。警視庁組織犯罪対策4課は同口座を経由して、3億円の一部が暴力団に流れたとみて調べている。

 捜査関係者らによると宮崎容疑者らは05年3月、都内のホテルで港区の不動産会社幹部に対し「昭和地所」から南青山の土地とビルを約89億円で購入するとうそを言い、転売交渉を行った。山口組系組長(08年12月に引退)も同席し、手付金として3億円を支払うよう求めた。

 その際、宮崎容疑者らは支払い方法について元組長と関係のある和歌山市の不動産会社「エヌアンドユー総合開発」に貸し付ける形を取るよう指示。6月にエヌ社口座に3億円が振り込まれたという。3億円の一部は同社を経由して元組長側や宮崎容疑者に渡ったとみられる。

 また警視庁幹部によると宮崎容疑者らが05年4月、同じ偽造契約書を使って別の都内の不動産会社から2億円を引き出していたという。既に会社側に返済しており、エヌ社に振り込まれた3億円の一部が返済資金に充てられたとみられる。【杉本修作、酒井祥宏】

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