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2009年01月29日(木) 00時00分

漁船拿捕で状況確認に奔走中国新聞

 カニかご漁船第38吉丸の拿捕(だほ)から一夜明けた28日、境港市の所有会社や鳥取県、漁協などの関係機関は状況確認や対応に追われた。同船を所有する日吉水産(境港市)では一報が入った27日夜から社員が情報収集を続けた。鳥取、島根県などの乗組員10人の家族には「健康状態に問題はない。解放へ最大限の努力をする」と電話で説明したという。

 28日午後、岩田慎介社長(52)らが市内で記者会見し「船員の安全を最優先に考えて対応する」と述べた。岩田社長によると、拿捕後、船越信弘漁労長(64)と数回、船舶電話で連絡を取ることができた。船越漁労長は「ロシアの船から銃を持った6人が乗り込んできた」と当時の様子を語り「ロシア側で操業はしていない。しかし理解してもらえず、取り調べのためナホトカへ向かっている」と話したという。

 日本海かにかご漁業協会の西野正人会長(50)も同席し「ロシア側との境界が微妙な水域での操業は当面自粛するよう、所属船に周知する」と話した。一方、鳥取県は同日午前、対策連絡会議を開催し、平井伸治知事や幹部らが対応を協議した。平井知事は「外務省や石破茂農水相に乗組員の無事と一日も早い解決を求めた。政府はしっかりと交渉してもらいたい」と述べた。

【写真説明】記者会見で拿捕の経緯などを説明する岩田社長(左)と西野会長(境港市)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200901290040.html