国内の自動車主要八社が二十八日発表した昨年十二月の自動車の世界生産台数は、販売不振による減産拡大で八社すべてが前年同月水準を下回った。うちマツダの41・3%減をはじめ計五社が二けた減少し、トヨタ自動車、日産自動車の下落率はそれぞれ24・9%、35・9%と、十二月として過去最大となるなど記録的な悪化を示した。
世界的な景気後退を背景に販売回復の兆しは見えず、各社が追加減産を迫られるのは必至。“自動車不況”は一層深刻さを増してきた。
十二月の世界生産は、トヨタが四十七万九千二十七台、日産が十七万六千百七十四台。下落率はトヨタがデータの残る一九八六年以降で、日産も統計のある八五年以降でそれぞれ十二月として最大となった。
三菱自動車は七万二千九百十六台で38・5%減と、二〇〇三年一月のトラック・バス事業の分社化後で単月として最も大きい下落率となった。
マツダも41・3%減の六万八千百十一台と、データのある〇五年以降で単月として最大の下落率。宇品工場(広島市)と防府工場(山口県防府市)でそれぞれ二日間操業休止した影響も出た。
ホンダは7・5%減の二十七万七千二百九十四台。
ダイハツ工業は1・5%減ったが、うち海外生産は3・0%増の七千六百十四台と十二月としては最高。富士重工業の世界生産は1・4%減ったが、うち国内生産は「フォレスター」の好調で6・1%伸びた。スズキの世界生産はインド、中国の減少も響き23・5%減の十六万一千五台。
国内販売も八社すべてが減少し、中でも三菱自は31・3%減った。輸出台数は富士重を除く七社が減った。
同時に発表した〇八年通年の世界生産は、昨年夏までは堅調だったため、ホンダなど五社が前年を上回った。