芦田川流域の福山市津之郷町の住民が昨年11月、河川浄化を目指して「食べ残しを流さない」などの社会実験に取り組んだ結果、水中のリンの量が半減するなどの成果が出た。28日、実験を呼び掛けた芦田川環境マネジメントセンターが発表した。
同センターと国土交通省、市が提案し、下水道が普及していない津之郷町の1250世帯に協力を求めた。前年に続き2回目で、120世帯から拡大した。11月2—29日、食べ残しを流さない▽鍋や食器は汚れをふいて洗う▽洗濯の洗剤量を減らす—など5項目を継続した。
実験前と実験中に、排水が流れる水路で水質を測定。水の汚れを示す生物化学的酸素要求量(BOD)が5%、水中浮遊物質量は67%、リンは52%減った。実験前の測定中に雨が降ったため、浮遊物質量に誤差があると同センターはみているが、改善傾向は顕著だった。