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2009年01月29日(木) 01時08分

【アジア杯最終予選】バーレーン戦「TV中継なし」の理由産経新聞

 バーレーン戦はテレビで生中継されなかった。1998年2月の豪州戦以来、11年ぶりの日本代表戦テレビ中継なしとなった背景として、岡田ジャパンの不人気とテレビ各局の財政悪化も一因として挙げられるが、放映権を持つ海外代理店が交渉の過程で何度も変更されたことが、決定的な打撃となった。

 日本サッカー協会には今週に入り、「なぜ中継されないのか」との問い合わせが30件以上寄せられたという。観戦したいファンは、放映権を持つ「MP&Silva」社による有料のインターネット中継に頼った。「できるだけ多くの方に無料でテレビ観戦してもらいたかったが…」。協会幹部は苦渋の表情を浮かべた。

 今回、最大のネックとなったのは海外代理店が「法外な放映権料を提示してきた」(田嶋幸三専務理事)こと。「MP&Silva」社は26日に報道各社に反論の声明を出したが、日本協会の加賀山公事業部長は「各局が求める額とは、数倍の開きがある」と説明した。

 しかも、交渉の過程で代理店が2度、変更された。「相手が変わるたびに一からやり直し。交渉が余計に難しくなった」と加賀山事業部長。代理店変更自体まれな上、3社目である「MP&Silva」社の提示額が最も高額だった。これでは、交渉がうまくいくはずがなかった。

 28日にはニュース映像に関する交渉も決裂、録画放送はかすかな望みを残すものの、現状ではバーレーン戦の映像が全くテレビで流されないことが決定的だ。

 「MP&Silva」社は11月のアジア杯予選香港戦と来年1月の同予選イエメン戦の放映権も保有。協会関係者は「これを前例に、今後のアウェーの代表戦までネット中継になってしまうことが一番恐ろしい」と危惧(きぐ)する。

 なお、W杯アジア最終予選はテレビ朝日が地上波の全試合独占放映権を取得している。(森本利優)

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