「まことちゃん」などの作品で知られる漫画家
赤白の横じまは楳図さんのトレードマークで、二十八日も、この模様のネクタイ姿で入廷。判決後には「少し早く春を感じさせてもらった。(今後の近所付き合いは)多少間を置くのも仲良くする方法で、気を配りながら生活していきたい。時間が解決してくれる」と笑顔で話した。
問題の外壁の横じまは約五十センチ幅。屋根に設置された赤い煙突状の塔には、作品のキャラクター「マッチョメマン」の目をイメージしたという丸窓が二つついている。
住民側は「異様な外観で、平穏な生活が送れない」と訴えていたが、判決は「周辺地域には、建物外壁の色彩について法的規制はなく、青や黒、薄紫などさまざまな色の建物が存在する。不快の念を抱かせるとしても、私生活の平穏を侵害しない」と指摘した。
住民側は二〇〇七年、建築工事の差し止めを求め東京地裁に仮処分を申し立てたが、却下されたため提訴。自宅は昨年三月に完成した。
▽原告の住民二人の話
楳図さんに話し合いをしてほしいとお願いしてきたが、応じてもらえないまま判決を迎えた。主張が認められず残念。内容を検討し、控訴するかどうか決めたい。
【写真説明】漫画家楳図かずおさんが新築した横じま模様の自宅=28日午後、東京都武蔵野市で共同通信社ヘリから