雇用の悪化は、その影響をかぶりやすい外国人労働者の生活を直撃している。太田市飯田町のハローワーク太田に設置された「外国人雇用サポート室」の相談窓口には、年明けから連日、午前8時半の開庁直後から数十人の日系ブラジル人らが殺到。待合室からは相談に訪れた人々があふれ、駐車場などで順番を待ち続ける光景がもはや日常的にさえなっている。
「残れる」はずが解雇通知…今月16日に相談に訪れた大泉町の日系ブラジル人、ヨコオ・ヒデキさん(60)は、1年半勤めていた埼玉県内の派遣先を先月いっぱいで解雇され、今月5日から毎日足を運んでいる。朝6時過ぎから並んだこともあるが、「相談が出来たのは4、5回くらい」という。
派遣会社から「もう来なくていい」と通告されたのは、仕事納め翌日の先月27日。「それまでは、いつまで働き続けられるのか聞いても、『ヨコオさんは大丈夫』と言っていたのに……」。ブラジルで弁護士を目指して大学に通う娘の学費を工面するため、当面は職探しを続けるつもりだが、「仕事はあっても月給12万円程度と少なく、アパートの家賃と光熱費を払ったらおしまい。こんな給料ならブラジルに帰った方がいい」。寒空を見上げながら「日本に来てこんなに仕事が見つからないのは初めて」とため息をついた。
「残業がなくなり、以前は手取りで35万円あった月給が20万円に減った」と嘆くのは、同町の派遣社員マクナイト・ジョージさん(41)。今月16日に、38歳の妻と20歳の娘の職探しの付き添いでハローワークに来た。妻と娘は同じ自動車内装関連の工場で派遣社員として働いていたが、先月末で解雇され、それぞれ月18万円の収入を失った。
今は伊勢崎市内の自動車製造工場で車体の溶接工として働く自分の稼ぎだけで家計を支えるが、去年3月に200万円で購入した愛車の5年間のローン返済がのしかかる。「今は収入と支出がほぼ同じで、全く余裕がない。これから食事も出来なくなるのではないかと思うと、本当に気が重い」と話す。仕事がなければ来月にも2人をブラジルに帰すつもりだが、車のローンを抱えるマクナイトさんは日本に残るしかないという。「自分も解雇されるかも知れない。2月、3月がこわい。こんなことになるとは思わなかった」。表情に焦りの色が浮かんだ。
合同企業説明会県は、若年層の就職支援のため、県内企業など86社が参加する合同企業説明会を2月3日午後1〜4時、前橋市のグリーンドーム前橋で開く。35歳未満の就職希望者が対象で、参加無料。午前11時半からは、参加企業の情報や就職活動のコツなどを教える「直前セミナー」(定員70人)もある。セミナー参加は県労働政策課(027・226・3408)への電話予約が必要。
また、2月4〜6日、28日には、仕事の基礎能力を養ってもらうための講座を同市野中町の県勤労福祉センターで開く。34歳までのフリーターなどが対象で、同7〜27日の間に4日間、職場体験も実施する。受講無料。定員7人。申し込みは、ジョブカフェぐんま高崎センター(027・330・4510)。