2009年01月29日(木) 22時32分
日本AMD、新体制と45nmで挑む2009年(Impress Watch)
日本AMD株式会社は29日、都内でプレス向けに事業方針説明会を開催し、45nmへ移行を進める戦略とロードマップを説明した。
説明会ではまず、2008年10月に日本AMDの代表取締役社長に就任した吉沢俊介氏が登場。AMD/ATIの統合完了や本社のCEOにDirk Meyer氏が就任したこと、ファブレス・ビジネスモデルへの移行、デジタルTV/ハンドヘルド事業の売却を挙げ、同社が新体制に入ったたことを説明した。
続けて、AMDはx86 CPUと先端グラフィックの開発技術/IPを共に備える唯一の会社であり、「プロセッサとグラフィックを武器にPCとサーバー事業に集中していく」と、選択と集中を実現した新体制をアピールした。
2009年には、SOI 45nmを活用して新CPUやGPUを投入し、同時にプラットフォームレベルでの価値も提供する計画。平行して、Foundry CoへのFab移行を完了させ、ニューヨーク州の新Fab建設を開始し、32nmプロセスの開発を進める。
●エンタープライズ分野
エンタープライズ・マーケティングについては日本AMD マーケティング&ビジネス開発本部 エンタープライズ・プロダクトマーケティング部の山野洋幸氏が説明した。
同氏は45nmプロセスは順調で、2008年11月に発表したACP 75WのOpteronに続き、2009年1月26日にACP 105WとACP 55Wの製品を発表した。さらに高性能または低消費電力の製品を第1四半期から第2四半期に投入していくという。
その性能については、第3者が提供する省電力性や仮想化についてのベンチマーク結果や、LAMPのベンチマークでの低消費電力性と性能の高さを例示し、高効率なソリューションになっていることを強調。今後は、国立日本天文台や株式会社はてな、GMOメディア株式会社などの導入事例を武器にアピールしていく。
2009年春以降にはFioranoプラットフォームを投入し、Shanghaiに加えて、HT 3.0をサポートする4/6コアのIstanbulを投入する計画だ。Istanbul+Fioranoはクラウド・コンピューティングやSaaSを意識した次世代サーバープラットフォームになり、最大6コアを活かす技術としてキャッシュ共有の最適化、仮想化支援の拡張(IOMMU対応)、省電力機能を提供する。
●コンシューマ
コンシューマ向けの戦略について、日本AMD マーケティング&ビジネス開発本部 PCプラットフォーム・プロダクトマーケティング部の土居憲太朗氏が説明。
ロードマップはすでに公開されているものから変更はなく、AM2+版Dragonプラットフォームに続いてAM3版のDragonプラットフォームを展開する。2009年後半にはRS880チップセットを投入する。
Congo/Yukonについては、改めてバランスのとれたパフォーマンス、AMD HD!エクスペリエンスへの対応、薄型/軽量ボディであるといった特徴を挙げ、ネットブックと高価なモバイルノートPCの間を埋めるものになると紹介した。その具体的なパフォーマンスの高さとして、HP Pavilion dv2(試作機)でHD動画をスムーズに再生してみせた。発売時期については、OEMベンダーから順次展開されるとコメントするにとどまった。
土居氏は、「ネットブックが画面サイズの拡大に伴い1台目としての需要を満たしつつあるが、CongoとYukonは1台目としてのパフォーマンスと2台目としてのモビリティを併せ持つ、1.5台目のマシンになる」と見解を述べた。なお、Yukon/Congoは一体型デスクトップPCにも搭載される製品になるという。
ほか、フルHD対応PC環境の普及を促進するための「AMD HD!エクスペリエンス」がフェーズ2へ入ったと説明。ATI Streamを活用し、動画のアップスケールやトランスコードから携帯プレーヤーへの転送といった利用シーンの拡大、動画の編集/共有といった新しい楽しみ方を提案していくという。
●そのほか
このほかゲストとして、LoiLoが世界初となるUVD対応コンシューマ向け動画編集ソフトとなった「Super LoiLoScope Moon」を、サイバーリンクがATI Streamに対応した「PowerDirector 7」を紹介。Super LoiLoScope Moonは本日から提供開始で、ATI Streamに対応したPowerDirector 7は2月に提供を開始する予定だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090129-00000058-imp-sci