「Firefox」などのオープンソースプロジェクトの開発に取り組む非営利団体のMozilla Foundationが、オープンソースの動画技術「Theora」の開発を支援するため10万ドルを寄付することを明らかにした。
Theoraは動画圧縮技術であり、オープンなコンテナフォーマットでストリーミングやマルチメディアに使われる「Ogg」で採用されている。Oggの最も代表的なオーディオ技術は「Vorbis」。Theoraに対抗するプロプライエタリ技術には「MPEG-4」「WMV」などがあり、Vorbisは「MP3」などと対抗する。
Mozillaの開発担当バイスプレジデントであるMike Shaver氏は米国時間1月26日付けのブログ投稿で、Theoraは「インターネット上で真にオープンで真にフリーの動画を実現するため、現時点では最善の方法だ」と述べている。
「(Theora)は、動画の質、性能、実装品質で改善できると考えている。Mozillaは10万ドルを寄付し、Theoraソフトウェアの開発を支援できて光栄だ。Wikimedia Foundationの管理の下、この寄付金は、Theoraのエンコーダの改良や、より強力な再生ライブラリの開発のために充てられる予定だ」(Shaver氏)
Mozillaでエバンジェリストを務めるChristopher Blizzard氏は同日付のブログで、「だれでもウェブの技術的方向にインパクトや影響を与えることができる」と記している。だが、動画は例外で、プロプライエタリなフォーマットに支配されている、と指摘している。
「(動画フォーマットは)しばしば、ユニットあたりのロイヤリティや大規模な先行投資が必要で、こうしたフォーマットでコンテンツを作成することは費用がかかり、資金に余裕のある企業や十分な投資を得ているベンチャー企業に制限されている」(Blizzard氏)
Blizzardは、次期版Firefoxである「Firefox 3.1」がオープンソースのコーデックであるTheoraとVorbisを使用するOggをサポートする予定だと改めて述べた。「それらはすばらしいフォーマットだ。今日のウェブでの動画の使われ方を考えると十分適していることは確かだ。そして、時がたつにつれて良くなっていくだろう」(Blizzard氏)(CNET Japan)