埼玉県は29日、林業に就職を希望する33人を対象に、同県飯能市の山林でチェーンソーなどを使った伐採の実技講習を開いた。
人手不足が深刻な林業に必要な技術を学んでもらおうと、県が雇用対策の一環として実施。受講者には修了証が与えられ、森林組合などへの就職が有利になる。
受講した33人は、28歳から67歳の男性32人と女性1人。公共職業安定所で林業を紹介された人もおり、慣れない手つきで丸太を切断、木くずを勢いよく飛ばしていた。
昨年末に食品メーカーを退職した埼玉県本庄市の男性(31)は「地域に貢献できる仕事。実際に木を切って緊張感が高まった」と意気込む。
農林水産省や業界団体によると、雇用情勢の悪化に伴い林業の求人数は急増しており、現在は約900人。65歳以上の担い手が3割を超える一方、仕事の厳しさを嫌い離職する若者も目立ち、後継者の確保が進まない事情があるという。
講師を務めた林材業労災防止協会東京支部の上野徳也さん(68)は「途中で逃げ出す人は多いが、最低でも3年は頑張ってほしい。10年やれば1人前になれる」と期待している。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090129-OHT1T00267.htm