長野県諏訪建設事務所が管理する同県諏訪市の下水処理施設で、汚泥の焼却灰を処理する過程で生じる「溶融飛灰」1トン当たりに約1890グラムの金が含まれていることが29日、分かった。同事務所は「汚泥から高濃度の金が検出されるのは例がなく、全国初では」としている。
県は昨年10月、愛媛県の精錬会社に溶融飛灰を初めて売却。同施設の排出は年間約5トンで、2008年度は約1500万円の売却益を見込んでいる。
同事務所によると、この施設は諏訪湖周辺の6市町村を管轄。「精密機械工場が多いため、金メッキを含む排水が大きな要因では」と話す。黒鉱ベルトと呼ばれる鉱床地帯に属し温泉などが豊富なことも影響しているとみられる。
溶融飛灰は汚泥の焼却灰を溶かして再結晶化する際に飛散する灰で、フィルターで集める。ヒ素を含むためこれまでは年間約600万円をかけて産業廃棄物として処分していた。
中山幹英流域下水道課長は「景気後退で税収見通しが厳しくなる中、ありがたい副収入。下水処理施設の維持管理費に充当したい」と話している。
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