バラク・オバマ米大統領(47)が愛用するイタリアの高級ファッションブランド「カナーリ」が日本でも注目されている。かつてビル・クリントン元大統領(62)も愛したセレブ服。オバマ新大統領のお気に入りと知って問い合わせが相次いでいるという。スーツ1着約20万円と値段は張るが、ちょっと背伸びすれば、あなたも少しだけ、いや「カナーリ」大統領に近づける!?
オバマ大統領自ら就任式の直前に店を訪れて新作スーツを購入した「カナーリ」は、1934年に伊ミラノで創業。89年に日本に上陸し、現在は東京・銀座の旗艦店など全14店を展開する。輸入販売を行うレナウンの広報担当・佐藤裕子さんは「『オバマさんと同じ物を売っていませんか?』という問い合わせが相次いでいます」とホクホク顔。銀座店の池田公恵・副店長も「お客様から『オバマさんが着てるんだってね』と言われます」とオバマ効果を実感している様子だ。
「最高品質」をうたうだけに、スーツの価格帯は平均20万円、ジャケットも同15万円、靴は同10万円と並のサラリーマンには“高値の花”のプライス設定。不況が直撃しているファッション業界で「強気」を貫く価格だが、最近数年は前年比2ケタ増の売上高を続けている。オバマ人気に乗って、さらに購買層を拡大しそうだ。
オバマキャラで再ブレークしたデンジャラス・ノッチ(43)も同社のオーダーメードスーツで本人を演じる。裏地にカタカナで「オバマ」という刺しゅうも入れており「着心地はいいし『かなりオバマ』ということで、シャレも利いてますね」と大満足だ。
ジョージ・クルーニー、トム・クルーズらハリウッドスターの顧客も多く抱える。最も有名なのは同じく民主党政権を築いたビル・クリントン元大統領。93年の就任式で着用し「初めて国外のスーツを着た大統領」と話題を集めた。しかし、一部の国民から「なぜ、米国製を着ないんだ」と批判も浴びただけに、オバマ大統領は「カナーリ」を愛好していることを公の場では口にしていない。就任式での服装もブランド名は明かされなかった。
何はともあれ、世界一の人気者にあやかるなら今。フトコロが寒くとも、靴下なら4200円。足元だけでもオバマ気分に浸ってみてはいかが?
◆娘の服まもなく契約終了
○…就任式でオバマ大統領の長女・マリアちゃん(10)と次女・サーシャちゃん(7)が着て、問い合わせが殺到したカジュアルブランド「J・クルー」も「カナーリ」と同じレナウンが取り扱っていたが、国内での契約は1月末で終了。しかし、同社によると「一部店頭では2月中まで展開する予定です」とのこと。
◆快進撃続く「オバマ本」
○…服よりも気軽に買える「オバマ本」のブームは加速する一方だ。ベストセラーランクのトップを快走するCD付き英語学習本「オバマ演説集」(朝日出版社)は42万部を突破。30日に発売する姉妹編「オバマ大統領就任演説」にも注文が相次ぎ、発売前ながら既に8万部を発行した。同社担当者は「合わせて100万部が目標です」と話している。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090129-OHT1T00052.htm