米ロサンゼルス郊外のベルフラワーの病院で現地時間26日、男児6人、女児2人の八つ子の赤ちゃんが誕生した。出産には、医師・看護師ら総勢46人のスタッフで臨み、帝王切開により順調に出産したという。母子ともに健康で、AP通信は、8人の赤ちゃんが生存した状態で生まれたのは1998年に米南部テキサス州ヒューストンで例があり、これが世界2例目と報じた。米国メディアではトップニュースの一つとして扱われており、全米の注目を集めている。
八つ子ちゃんが生まれたのは、ロサンゼルス中心部から南東約27キロにあるベルフラワーという人口7万3000人の都市。記者会見したカイザー・パーマネント病院の医師によると、医師、看護師、セラピストら46人が出産にかかわった。予定日より9週間早く帝王切開が行われ、午前10時43分からわずか5分で8人の赤ちゃんが誕生した。過去には1946年にブラジルで10人を産み、7人が死産となった例があるが、元気に生まれた例では、8人が最多記録と言われている。
8人の体重は約680グラムから1470グラム。出産に携わったカレン・メープルス医師は「8人とも健康状態は良いが、今後3日から1週間は注意が必要だ」と話している。米国最大のネットワークを持つCBS放送の取材によれば、新生児の2人は人工呼吸器をつけているが、元気に泣いていて、キックをするなどしてよく動いているという。
医師団は事前に七つ子の誕生を予測し、出産時を想定しての予行演習をしたという。予測どおり7人目の赤ちゃんが生まれた後、まだ1人残っていることが分かり、全員が驚いた。ハロルド・ヘンリー医師は「7人生まれるとなると1人くらいは見落としやすくなってしまう。超音波スキャンを用いても(正確な人数を確認することは)非常に難しい」と説明している。
母親がどういう人物かについては本人の要望により、明らかにされなかった。排卵障害などがあるときに用いられる排卵誘発剤を使用したかどうかなどについては明らかにされていないが、母親の健康状態も問題ないという。
98年11月にテキサス州のチュークー家に女児6人、男児2人の八つ子が誕生したときには、約1週間後に女児1人が死亡。APによると残りの7人は、成長して昨年10歳の誕生日を迎えた。チュークー夫妻も、10年後の快挙再現の知らせを聞いて祝福。「神様からの恵みです。私たちも彼らのために祈っています」とコメントした。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090128-OHT1T00098.htm