【ワシントン28日共同】二十八日付のニューヨーク・タイムズ紙は、オバマ米政権がアフガニスタンの安定に向け、反政府武装勢力タリバンの掃討作戦により大きな力を注ぎ、手薄となる復興支援を欧州同盟国などに委ねる新戦略を立案したと報じた。軍事的役割の強化により、オバマ政権は将来、本格的な「アフガン戦争」に足を踏み入れることになる。
オバマ政権は、ブッシュ前政権が支持したカルザイ大統領にも不満を募らせており、ホルブルック米アフガニスタン・パキスタン担当特別代表を近く現地に派遣し、より厳しい汚職取り締まりなどを求めるという。
マレン米統合参謀本部議長は二十七日の記者会見で、日本のアフガン支援について、医療や教育など非軍事面での貢献を「大歓迎する」と述べており、新戦略に沿った発言といえる。
同紙によると、オバマ政権はカルザイ大統領の下で政府職員の汚職がはびこり、麻薬密売やタリバン復活の要因になっていると分析。カルザイ氏をアフガン政策を進める上で「政治的な障害」とみている。
こうした主張を唱える代表格はバイデン副大統領ら。バイデン氏は就任直前のアフガン訪問を通じ、同国が「真の混乱状態にある」と認識。新政権はより厳しい姿勢で臨むとカルザイ大統領に警告したという。
同紙によると、オバマ政権は向こう二年間でアフガン駐留米軍を現在のほぼ二倍の六万人超に増やす方向。ゲーツ国防長官によると、隣国パキスタン北西部の部族地域に潜む国際テロ組織アルカイダの掃討も続ける。