東京都渋谷区の一等地を地上げして転売した利益などを隠し、約十七億五千万円を脱税したとして、東京地検特捜部は二十八日、法人税法違反の疑いで、東京都港区の不動産会社「テールトゥシエル」(旧カーロ・ファクトリー)の元社長
特捜部は隠し所得の使途などを追及、脱税工作の全容解明を進める。
特捜部の調べなどによると、遠藤容疑者は渋谷区南平台町の土地(約六千九百平方メートル)を地上げし、東京都武蔵野市の不動産会社などの名義で購入。
大手不動産会社に約四百二十二億円で転売した際の利益を隠すなどして、二〇〇六年八月期までの三年間に計約五十八億四千二百万円の所得を隠し、法人税約十七億五千二百万円を免れた疑い。
自分が経営していた赤字の不動産会社「インターナショナル・プロパティーズ」(旧ル・マン商会)などに利益を付け替える手口で所得を隠していたとされる。
武蔵野市の不動産会社は、土地購入資金として東京三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)などから総額約二百十六億円の融資を受けていた。問題の土地を含めた約八千平方メートルの敷地には、オフィスなどが入る二十二階建てビルが建設される予定。
民間信用調査会社によると、テール社は二〇〇〇年十二月に設立され、〇五年八月期の売上高は約四億二千八百万円。昨年五月に商号変更した。
特捜部は二十七日、遠藤容疑者の関係先を家宅捜索していた。