2009年01月28日(水) 08時03分
南青山の土地不正売買 元公団職員ら逮捕 契約書偽造、3億詐欺の疑いも(産経新聞)
東京都港区南青山の土地・建物をめぐり、売買契約書を偽造して転売を持ちかけたとして、警視庁組織犯罪対策4課は27日、有印私文書偽造・同行使容疑で、旧日本住宅公団(現都市再生機構=UR)元職員、宮崎勝儀(70)=横浜市瀬谷区▽不動産会社「三洋興産」監査役、三輪洋治(73)=千葉県船橋市▽会社社長、久保雅勇(59)=東京都町田市−の3容疑者を逮捕した。三輪容疑者らは偽造契約書をもとに都内の不動産会社から3億円の融資を引き出しており、詐欺の疑いも浮上している。
調べに対し、宮崎容疑者は契約書を偽造したことを認めたが、行使については否認。ほかの2人は容疑全体を否認している。
調べでは、宮崎容疑者らは平成17年4月、南青山3の土地1473平方メートルとビル2棟について、所有者の不動産会社「昭和地所」(中央区)を売り主、三洋興産を買い主とする約89億円の虚偽の売買契約書を作成。転売を希望した都内の不動産会社に提示した疑い。
契約書偽造を主導したのは宮崎容疑者で、契約書に押されていた昭和地所の会社印や代表印なども偽造していた。
三輪容疑者らはこの契約書をもとに、都内の不動産会社から手付金名目で3億円の融資を受けていた。交渉の場には指定暴力団山口組系元組長も同席しており、融資金の一部が渡った疑いもあるという。同課で現金の流れを調べている。
昭和地所は「契約書は偽造されたもので事実ではない」として、三洋興産を千葉地裁に提訴。昨年3月に同地裁が昭和地所の訴えを全面的に認める判決を出した。同課は昨年9月、有印私文書偽造容疑で三洋興産など関係先を家宅捜索していた。南青山の土地・建物をめぐっては、国民新党の糸川正晃衆院議員が18年3月、中堅ゼネコン「平和奥田」(滋賀県)の相談役を名乗る男に脅迫される事件が発生。同年5月には、糸川議員の事務所などに銃弾が送りつけられる事件も起きている。
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