「円天」と呼ばれる独自通貨や高額配当をうたい文句に5万人から約1000億円の資金を集めていた「L&G」(東京・新宿、破産手続き中)の出資法違反事件で、同社が2007年1月に現金での配当を停止する約3か月前から、同社幹部が波和二会長(75)に売り上げのデータなどを示しながら、「近く破綻(はたん)する」と説明していたことが27日、わかった。
警視庁は、経営陣が配当を続けられないと認識しながら、その事実を隠して会員を集めていた疑いがあるとして、近く、波会長ら十数人を詐欺容疑で逮捕する方針を固めた。
同庁などによると、同社は2001年頃から「1口100万円で年36%の高額配当」などとして会員を勧誘。一時は全国に2000以上の地方拠点を増やした。しかし、同社は資金運用をしないまま配当や事業費につぎ込む自転車操業を続け、経営状態を悪化させた。
関係者によると、同社幹部は06年11月頃の会議で、波会長に対し、地方代理店の売り上げ結果を示しながら、「このままでは立ち行かなくなる」などと、経営が行き詰まっていることを説明した。しかし、波会長は「現金での配当をやめて円天に切り替えればいい。責任は自分が取る」などと耳を貸さなかったという。
同社はこの後も「高額配当」などと勧誘を続けた結果、経営が破綻し、07年1月に現金での配当を停止した。
同庁は同年10月、出資法違反容疑で同社本社など全国の関係先を捜索し、捜査を続けていた。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090127-OYT1T01186.htm?from=main2