総額二兆円の定額給付金を盛り込んだ二〇〇八年度第二次補正予算は二十七日、成立した。衆参両院の議決が異なり、同日午後に再開した両院協議会が不調に終わったためで、憲法六〇条の規定に基づき、政府原案を可決した衆院の議決が優先された。参院では二次補正関連法案の審議に入っていないため、地方自治体による給付金の支給作業は関連法案成立まで持ち越しとなる。二次補正の成立により、与野党の攻防は〇九年度予算案に移る。
自民党の大島理森、民主党の山岡賢次両国対委員長は二十七日夕に会談し、麻生太郎首相の施政方針演説など政府四演説を二十八日、衆参両院の代表質問を二十九、三十両日と二月二日の三日間にそれぞれ行うことで合意した。山岡氏は二月三日に衆院予算委員会で〇九年度予算案を審議入りすることでも合意したと記者団に述べた。
二十六日の両院協議会の混乱を受け、河野洋平衆院議長と江田五月参院議長は二十七日午前、衆院議長公邸で会談。同日中に二次補正を成立させるべきだとの認識で一致し、両院協議会の代表者に伝えた。
これを踏まえ、両院協議会の衆参両院代表者による事前協議が国会内で開かれ、二十七日に結論を出すことを確認した。参院側は協議会で、政府原案通り可決した衆院の議決を「民意と離れている」と批判。衆院側は「二次補正は緊急性が高いので、早く成立させてほしい。中小企業や失業者が困る」と反論し、意見が一致しなかった。
河野衆院議長は本会議で、衆院の議決が国会議決になると宣告した。両院協議会を経て補正予算が成立したのは、昨年の通常国会での〇七年度補正予算に続き五例目。
二次補正は景気対策として総額四兆八千四百八十億円の追加歳出を計上。給付金のほか、高速道路料金引き下げや中小企業の資金繰り支援などを盛り込んだ。