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2009年01月28日(水) 00時12分

国内外で9450人削減 NECトーキン、拠点閉鎖中国新聞

 電子部品大手、NECトーキン(仙台市)は二十七日、国内で四百五十人の早期退職者を募集するなど国内外で計約九千四百五十人の正社員を削減すると発表した。昨年九月時点で国内外に約一万九千人の正社員がいたが、社員が半減することになる。栃木県や岩手県、兵庫県にある生産拠点三カ所も閉鎖する。

 世界経済の悪化を受け、携帯電話や自動車向けの市場が急激に縮小。同社は昨年十二月末時点で、百億円超の債務超過に陥るなど経営不振に陥ったため、抜本的なリストラを進めることにした。

 同社は財務基盤を立て直すため、親会社のNECを相手先とする三百八十億円の第三者割当増資を実施。その後、株式交換により、NECの完全子会社になる。NECトーキンは東証一部に上場しているが、上場廃止になる見込み。

 現在七カ所ある国内の生産拠点のうち三カ所を再編。リチウムイオン電池事業などを手掛けていた栃木事業所(宇都宮市)、岩手事業所(岩手県一関市)、兵庫事業所(兵庫県宍粟市)を閉鎖する。

 早期退職者は今年三月に募集する。

 人員削減や生産拠点の閉鎖に伴い、同社は二〇〇九年三月期に、約二百六十億円の特別損失を計上する。同期連結決算の純損益は三百九十九億円の赤字になる見通しだ。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901280068.html