昨年十二月に日本を訪れた外国人旅行者は前年同月より24・1%(十六万二千七百人)減の五十一万三千七百人と、五カ月連続で前年割れしたことが二十七日、独立行政法人国際観光振興機構の推計で分かった。20%を超す落ち込みは新型肺炎(SARS)が流行した二〇〇三年六月の20・1%減以来五年六カ月ぶり。
昨年一—六月は前年同期比10・0%増と好調だったが、世界同時不況や円高の影響で七—十二月は8・8%減となり、年間では0・1%増の八百三十五万千六百人。かろうじて五年連続で過去最高を更新したが、不況の長期化が予想される中、早期回復は見込めない。
政府は、地方自治体と連携した観光地づくりなどに力を入れてきたが「一〇年までに一千万人」との政府目標の達成は困難な状況。外国人を積極的に受け入れていた温泉街などでは団体宿泊客が急減、地域経済にも悪影響が出ている。
〇八年の国・地域別では、外国人旅行者に占める割合が28・5%と最多の韓国は8・4%減の二百三十八万二千六百人で、対前年の減少率が最も大きかった。特に十二月は大幅な円高ウォン安を受け、前年同月比でほぼ半減した。
次いで年間の減少率が大きかったのは、英国の7・0%減、米国の5・8%減。いずれも金融不安に伴うビジネス客の落ち込みが響いた。
一方で、香港は27・3%増の五十五万二百人、中国も6・2%増の百万七百人と、いずれも過去最高を更新した。
また、〇八年に日本から海外に出掛けた旅行者は前年比7・6%減の千五百九十八万七千人で、二年連続のマイナス。