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2009年01月28日(水) 00時12分

フグ食べ、一時2人重体 山形の料理店、営業届なし中国新聞

 二十六日午後十時ごろ、山形県鶴岡市大西町の「鮮魚料理きぶんや」(相沢巌あいざわ・いわおさん経営)でフグを食べた客七人が体のしびれを訴え、家族が一一九番した。

 鶴岡署によると、鶴岡市の無職佐藤朝吉さとう・あさきちさん(68)と、同市の公民館事務局長五十嵐孝志いがらし・たかしさん(55)が意識不明になるなど一時重体となったが、容体は若干持ち直し、いずれも重症で命に別条ない。残る五人は手足のしびれなど軽症だったがうち一人が悪化、重症者は計三人となった。

 フグ料理は相沢さんが調理したとみられ、鶴岡署の調べに対し相沢さんは「フグの調理師免許は持っていない。白子はうまいと聞いて出した」と説明。相沢さんは一般の調理師免許も持っていなかったが、常連客を含んだこのグループにメニュー外のフグを出したという。店はフグの営業届を出しておらず、県が年一回開くフグ調理者の講習会にも参加していなかった。

 使ったのは新潟県産のヒガンフグとみられ、相沢さんは「トラフグ以外の白子は毒がないと思った」と同署に説明。ヒガンフグは白子(精巣)などに毒があるため同署は白子が原因とみて二十七日、業務上過失傷害容疑で家宅捜索した。山形県も立ち入り調査し、店に営業禁止を命じた。

 佐藤さんらは二十六日午後六時半ごろから、八人で同店のふぐ刺しや白子などを食べたという。一人はフグ料理に手を付けなかった。食事中に佐藤さんが体調不良を訴えたため、相沢さんが車で病院に搬送。帰宅した五十嵐さんの体調が急変したため、家族が一一九番した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901280071.html