広島県は27日、JA広島厚生連が運営するJA尾道総合病院(尾道市古浜町)の移転・新築計画に対し、新年度からの3年間で21億6700万円を無利子で融資する方針を固めた。厳しさを増す地域医療体制の確保・充実につながると判断し、10年ぶりに民間病院の建設を支援する。
厚生連の計画では、現病院の北約1.1キロの同市平原に鉄筋7階建ての本館などを建設。小児救急や周産期医療、がん診療などの充実に加え、災害時の医療拠点としての機能強化も図る。総事業費は約150億円で、2011年5月の完成に向けて今夏の着工を予定している。
同病院は県の地域医療支援病院や、国の地域がん診療連携拠点に指定されている。県は厚生連の要望を受け、財団法人の地域総合整備財団(東京)を経由して事業費の一部を無利子で貸し付ける「ふるさと融資」の活用を決定。融資額は3年間で計21億6700万円とし、新年度当初予算案に1億2700万円を盛り込む方向で調整している。
【写真説明】県が移転・新築計画への無利子融資を決めたJA尾道総合病院