山口県の2009年度当初予算案編成に向け、二井関成知事は27日、各部局の事業の査定を始めた。例年は初日に予算の増減見込みを公表していたが、過去最悪の600億円超の財源不足を抱え、様相は一変。知事選の公約実現と不況対策が求められる中、二井知事は「分からない」を連発した。
二井知事は記者団の取材に応じ、「選択と集中の視点で当たりたい」と抱負を語る半面、予算規模は「全く分からない」と説明。9年連続の減額となるかどうかの質問にも「分からない」と繰り返した。福祉医療分野も含めた補助金カットにも触れ「一定の県民の負担もお願いしたい」と述べた。
09年度は、ドクターヘリや学校耐震化の促進などのハード事業の採否も焦点の一つ。二井知事は「借金に頼らないと思うような政策もできない状況」と強調。1兆1589億円の県債残高が1兆2000億円台に上る可能性もあらためて示した。
【写真説明】査定が始まり、事務方の説明を聞きながら資料を読み込む二井知事(左端)