2009年01月28日(水) 00時25分

＜契約書偽造＞社長ら３人容疑で逮捕　南青山の不動産売買　（毎日新聞）

　東京・南青山の不動産売買を巡る売買契約書偽造事件で、警視庁組織犯罪対策４課と麹町署は２７日、▽横浜市瀬谷区五貫目町、無職、宮崎勝儀（かつよし）（７０）▽千葉県船橋市宮本８、不動産会社「三洋興産」役員、三輪洋治（７３）▽東京都町田市鶴間、同「アネックス・プラザ」社長、久保雅勇（まさお）（５９）の３容疑者を有印私文書偽造・同行使容疑で逮捕した。

　偽造契約書を使って転売交渉を行い、別の不動産会社から手付金３億円を詐取したとされる。交渉の席に関西の指定暴力団山口組系元組長が立ち会ったことなどから、同課は一部の資金が暴力団に流れたとみている。

　逮捕容疑は、三洋興産が０５年４月、港区南青山３の土地（約１４７０平方メートル）とビル２棟を不動産会社「昭和地所」（中央区）から約８９億円で購入したように装った虚偽の売買契約書を作成し、転売交渉時に示した疑い。偽造された昭和地所の社長印も押されていた。宮崎容疑者は「偽造はしたが使っていない」と供述し、他の２人は否認しているという。

　昭和地所は９９年、土地とビルを取得。０３年には、都市再生機構（ＵＲ）が隣接する２６００平方メートルを取得しているが、権利が複雑に入り組んでいたことや暴力団関係者の関与がうわさされたことなどから、一帯の開発は頓挫した。宮崎容疑者は６０年代にＵＲの前身の旧日本住宅公団に一時勤務していたという。

　昭和地所企画本部は「偽造事件で社会的信用を傷つけられた。事件の完全な解明を願う」とのコメントを出した。【杉本修作、酒井祥宏】

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