ロシア正教会は27日、モスクワで開いた教会会議で、先月5日に死去した同教会の最高位アレクシー2世総主教に代わる新しい総主教に、総主教代理でスモレンスク・カリーニングラード府主教のキリル渉外局長(62)を選出した。2月1日に第16代総主教に就任する。総主教の選挙はソ連崩壊後初めて。
近年ローマ法王庁(バチカン)との窓口役となっていたキリル渉外局長が選ばれたことで、バチカンは28日「双方の接近が今後も続くことを確信している」との声明を出し、約950年間の対立が続く東西キリスト教会の歴史的和解に向けた進展に期待を表明した。
キリル新総主教はアレクシー2世の死去後、総主教代理に選出され、新総主教候補者を3人に絞った今月25日の高位聖職者会議の投票でも最多の票を集めていた。教会内では改革派とされる。
インタファクス通信によると、メドベージェフ大統領は電話で新総主教を祝福し、国の発展のため正教会と政府の対話が強化されることを期待すると伝えた。
新総主教は1991年にスモレンスク・カリーニングラード府主教に就任。89年からロシア正教会の渉外局長を務め、2007年にはローマ法王庁(バチカン)でローマ法王ベネディクト16世と会談、カトリック教会との対話の道を模索した。(共同)
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