「まことちゃん」などの作品で知られる漫画家楳図かずおさんが東京都武蔵野市に新築した自宅をめぐり、周辺住民2人が「景観を破壊する」として赤と白の横じま模様の外壁を撤去することなどを求めた訴訟の判決で、東京地裁(畠山稔裁判長)は28日、「周囲の目を引くが、景観の調和を乱すとまでは認められない」とし、請求を棄却した。
赤白の横じまは楳図さんのトレードマークで、28日も、この模様のネクタイ姿で入廷。判決後には「少し早く春を感じさせてもらった。(今後の近所付き合いは)多少間を置くのも仲良くする方法で、気を配りながら生活していきたい。時間が解決してくれる」と笑顔で話した。
問題の外壁の横じまは約50センチ幅。屋根に設置された赤い煙突状の塔には、作品のキャラクター「マッチョメマン」の目をイメージしたという丸窓が2つついている。
住民側は「異様な外観で、平穏な生活が送れない」と訴えていたが、判決は「周辺地域には、建物外壁の色彩について法的規制はなく、青や黒、薄紫などさまざまな色の建物が存在する。不快の念を抱かせるとしても、私生活の平穏を侵害しない」と指摘した。
住民側は2007年、建築工事の差し止めを求め東京地裁に仮処分を申し立てたが、却下されたため提訴。自宅は昨年3月に完成した。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090128-OHT1T00238.htm