パナソニックの2009年3月期連結決算の純損益が、03年3月期以来6年ぶりに大幅な赤字に転落する見通しとなったことが28日、分かった。為替相場が円高で推移したことや、世界的な不況に伴う市況悪化が主な要因。赤字幅は数百億円以上になる可能性がある。海外3拠点の廃止も決め、これらの構造改革に必要な費用の増加も業績に響く。
電機メーカーは09年3月期連結決算で、ソニーが2600億円の営業赤字となる見通し。東芝も1000億円超の営業赤字が避けられず、日立製作所も純損益が赤字になるとみられるなど、各社の業績は軒並み厳しさを増している。
パナソニックは08年3月期の連結純利益が22年ぶりに過去最高を更新。09年3月期の当初見通しも、海外販売の増加などで前期比10%増の3100億円としていた。しかし、昨年11月に300億円へ大幅に下方修正しており、今回さらに厳しい見直しを迫られる。
閉鎖する海外3拠点は、マレーシアの2か所とフィリピンの1か所。収益構造を改善するため、電子部品などを製造するマレーシアの3拠点のうち2か所を閉鎖し、生産を集約する。フィリピンの現地向け乾電池工場も今年3月に閉鎖し、インドネシアの工場に生産を移管する。
国内外の昨年の年末商戦では、薄型テレビをはじめ、主力のデジタル家電の販売価格が大幅に下落。為替も1ドル=100円、1ユーロ=125円の想定レートに対し、大幅な円高で推移している。
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