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2009年01月27日(火) 11時39分

<無料低額宿泊所>無断で利用料天引き 埼玉毎日新聞

 生活保護受給者ら向けの「無料低額宿泊所」を運営する埼玉県内の民間事業者が、入居者の同意なしに預金通帳やキャッシュカードを預かり利用料を天引きしていたことが27日、分かった。県は「同意なく預かるべきではない」として、2月末までに改善報告書を提出するよう指導した。

 県社会福祉課が昨年11月以降、管轄する県内20施設を調査。この事業者が運営する3施設で預金通帳を預かるなどしていたことが分かった。宿泊所は都道府県や政令市などへの届け出施設で、民間事業者や個人も設置できるが、設備や運営に基準がなく、行政指導も拘束力が弱い。

 県は、この事業者が運営する宿泊所に入所する60代の男性から相談を受けて実態を知り、厚生労働省と相談して独自の指導方針を作成。事業者が入居者の金銭を管理する場合、(1)入居者からの依頼書が必要(2)福祉事務所に報告する−−などを定め、各施設に通知したうえで調査した。

 これとは別に、入居者が受け取った生活保護費全額を、いったん事業者に手渡しさせた上で、事業者が利用料を抜いて残額を返していたケースが3事業者4施設であり、県は「好ましくない」と改善を求めている。【稲田佳代】

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