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2009年01月27日(火) 03時10分

長野・上田の自衛隊地本で裏金、一部着服で3佐を懲戒免へ読売新聞

 自衛隊長野地方協力本部(地本)の上田地域事務所(長野県上田市)が、協力団体から受け取ったイベント参加費などの余剰金を長年、裏金としてプールしていたことがわかった。

 裏金の総額は約150万円で、防衛省はうち約100万円を私的に着服したとして、同地本に所属する50歳代の陸上自衛隊の3等陸佐を懲戒免職処分にする方針だ。

 余剰金の流用は2006年に埼玉地本と神奈川地本でも発覚。同年12月に当時の陸上幕僚長名でプールなどを禁止する通達が出ていたが、同地域事務所では、それを無視して裏金作りを続けていた。

 警務隊も、この3佐を横領容疑で書類送検する方針。同省関係者によると、3佐は07年6月〜08年2月、同地域事務所でプールしていた裏金から約100万円を着服し、遊興費に使っていた疑い。同省の調査に対し、3佐は裏金について「前任者から受け継ぎ、150万円ほどあった」と説明したといい、同地域事務所では、協力団体から参加料などを多く受け取り、余った金を裏金化する慣行が続いていたとみられる。3佐はすでに100万円を返済したという。

 地本は47都道府県に置かれ、自衛隊員の募集や災害時の都道府県との調整が主な業務。同省は今回の問題発覚後、全国の地本を一斉に調査したが、これまでに同様の裏金作りは確認されていないという。

 会計法33条では、各省庁は、原則として債権の担保以外の現金や有価証券を保管することを禁じられている。違反しても罰則はないが、懲戒処分などの対象になる。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090126-OYT1T01156.htm?from=main3