2009年01月27日(火) 02時18分
<設楽ダム>愛知・設楽町が建設同意 36年の対立、節目に(毎日新聞)
愛知県設楽町の豊川上流に国が計画している設楽ダムについて、同町議会は26日、全員協議会を開き、賛成多数で建設に同意することを決めた。加藤和年町長も同意の意思を表明した。地元同意を受け、町に対し1973年に調査の申し入れがされたダム計画は、大きな節目を迎えた。国土交通省は、用地買収や測量、工事用道路の整備を進め、早ければ2012年度に掘削工事に着工し、20年度の完成を目指す。
全員協議会で、議長を除き、賛成8、反対4の賛成多数で同意した。加藤町長は「地域振興を図るため、苦渋の選択として同意を決断した」と述べた。
ダムの基本計画について、県は08年3月、特定多目的ダム法に基づく国からの意見照会に対し、同意すると回答した。同法は町議会や町の同意を求めていないが、事業を進めるうえで地元同意は欠かせない。国交省と県、町は2月に地元同意の調印式をする見通し。
約120世帯が水没し、移転を余儀なくされる。水没する世帯や地権者などで作る設楽ダム対策協議会は23日、国提示の損失補償基準を受け入れる方針を決めた。
一方で、建設反対派は、貴重な動植物の生息に影響を与えて自然破壊につながり、水余りの現状で利水目的のダムは不要と批判している。08年11月、反対派の住民団体が住民投票条例の制定を求めて直接請求したが、町議会で否決された。【加藤新市、中村宰和】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090127-00000012-mai-soci