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2009年01月27日(火) 02時18分

<経営統合>香川銀と徳島銀 地銀再編の動きが全国的に毎日新聞

 香川銀行(高松市)と徳島銀行(徳島市)が来年4月に銀行持ち株会社を設立して経営統合する背景には、人口減少で地元経済の縮小が避けられないという全国の地方に共通した事情がある。世界的な金融危機の影響で地銀の体力は弱まっており、貸し出しを伸ばせない地方では地銀はスケールメリットを求めざるをえない。地銀再編の動きは全国的にも広がりそうだ。

 四国では、92年に愛媛県内に本店を置く伊予銀行と東邦相互銀行が合併して以来、各県に地方銀行と第二地方銀行が1行ずつ本店を置いている。香川銀行と徳島銀行はともに第二地銀で、それぞれの県内でのシェアは百十四銀行(高松市)と阿波銀行(徳島市)に比べて低く、「成長発展のためにエリアの拡大、基盤の強化が大事」(柿内慎市・徳島銀行頭取)だった。

 さらに、多くの地銀は昨年9月のリーマン・ショック後の株価急落で、保有する株式や債券の時価が大幅に下落し、経営体力を奪われている。昨年12月末時点で、香川銀も21億円、徳島銀は26億円の評価損が発生した。徳島銀は09年3月期の連結業績予想で最終(当期)赤字を見込んでおり、経営状況は厳しい。

 中小企業融資を円滑化するため、金融機関に公的資金を注入する改正金融機能強化法が昨年12月に施行されたが、申請を表明したのは全国で2行にとどまっている。「貸したいけれど、資金需要が伸びていない」(金融関係者)という四国の経済環境では、公的資金の注入を受けても貸し出しの拡大は難しく、統合による経営規模の拡大で生き残りを目指すことになる。

 金融庁の佐藤隆文長官は26日の定例会見で、両行の経営統合を「将来を見据えた取り組みの一環だろう。顧客の利便性とサービスの向上に結び付けていただきたい」と述べた。【久田宏】

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