総額二兆円の定額給付金などを盛り込んだ二〇〇八年度第二次補正予算は二十六日夜、両院協議会で民主党が政府原案に抵抗し、成立は二十七日に持ち越された。これに先立ち、給付金分を削除する民主、社民、国民新三党提出の二次補正修正案は参院本会議で可決された後、衆院本会議で与党などの反対で不同意となった。
衆院は既に二次補正を可決しており、与野党は衆参両院の議決が異なった場合の両院協議会の開会を調整したが、議事運営をめぐり難航。協議会の北沢俊美議長(民主党)が散会を宣言し、二十七日午後一時から再開するとして打ち切った。
また衆院議院運営委員会は二十六日夜、小坂憲次委員長の職権により、二十七日午後に麻生太郎首相の施政方針演説など政府四演説を行う本会議を開くことを決めた。
協議会では衆参両院の意見調整が不調に終わるのは確実で、憲法六〇条の規定に基づいて衆院の議決が優先される。二次補正が成立すれば、与野党攻防の焦点は〇九年度予算案に移る。
ただ参院で二次補正関連法案の審議に入っていないため、地方自治体による給付金の支給作業は関連法案成立まで開始されない見通しだ。
民主党は協議会を前に、時間をかけても給付金削除を求める方針を確認した。協議会の委員は慣例で、それぞれの院の議決を支持する会派から選ばれる。衆参両院の本会議は、修正案を可決した参院側が民主党など野党、政府原案通り可決した衆院側は与党から十人ずつ代表を選出した。
事前協議では、参院側が非公開とされている協議会の議事録を残すよう要求。難色を示す衆院側と調整が続いた。
参院予算委員会で麻生首相は、給付金削除を「今の段階で全く考えてない」とあらためて表明。「消費を増やす経済効果がある極めて重要な施策だ」と強調した。消費税率引き上げは、経済力の回復や行政改革の進展などが前提条件との認識を重ねて示した。民主党の森裕子氏に対する答弁。予算案の修正案の参院可決は戦後初めて。
二次補正は景気対策として総額四兆八千四百八十億円の追加歳出を計上。給付金のほか、高速道路料金引き下げや中小企業の資金繰り支援などが盛り込まれた。