日本フードサービス協会が二十六日発表した二〇〇八年の外食産業市場動向調査によると、外食産業の既存店売上高は前年比0・8%減と、三年ぶりに前年実績を下回った。景気悪化で消費者の節約志向が強まり、ファミリーレストランや居酒屋が不振だったため。堅調だったファストフードと明暗を分けた。
経営再建中のすかいらーく(東京)が比較的好調な低価格店舗「ガスト」への業態転換を進めるなど、客離れを食い止めようと取り組みを進めているものの、景気後退が長引けば、ファミレス業界での不採算店閉鎖の動きは加速しそうだ。
業態別でみると、ファミレスが3・3%減、パブレストラン・居酒屋は1・6%減でいずれも十二年連続して前年実績を下回った。
特に郊外型店舗が多いファミレスは、一時期のガソリン価格の高騰によって客離れに拍車がかかり、新店を含む全店売上高でも五年ぶりに減少した。パブレストラン・居酒屋も家族利用が減ったことが響いた。
一方、低価格を売り物にするファストフードの既存店売上高は1・3%増加。客数も0・1%増だった。新たなメニュー投入やコーヒーの販売強化で、顧客層を拡大する日本マクドナルド(東京)の取り組みなどが奏功した。
同協会は「『節約』と言っても外食に依存している生活を急に変えることはできないため、景気が後退する中で、消費者は低価格帯の店に移っているのではないか」と話している。