河村建夫官房長官は26日、米海兵隊岩国基地(岩国市)での民間空港再開について「(政府方針を)近く決定したい」と述べ、再開の方向で結論を出す見通しを示した。全日空もこの日、就航に前向きな姿勢を表明。山口県、岩国市が目指す2012年度再開へ大きく前進した。一方、愛宕山地域開発事業跡地について、浜田靖一防衛相は「買い取りたい」としたが、用途を含め条件面の協議がさらに必要との認識を示した。
いずれも、二井関成知事と福田良彦市長の再度の要望などに答えた。
この日の定例会見で河村官房長官は民空再開について、「最終的な詰めの段階だと思う。近いうちに決定したい」と言明した。同日夕には、官邸で知事、市長と会談。終了後、二井知事は「地元の意向を踏まえ早く政府方針を出したいとの前向きな回答」と受け止めた。福田市長は、全日空の協力も踏まえ「地元の長年の運動が大きく前進した」と評価した。
これに先立ち、知事と市長は、全日空本社で山元峯生社長に面会し、就航を要請。山元社長は記者団に対し、1日4往復の東京便就航を「前向きに検討する」と答えたことを明かした。ビジネスや観光面での需要が期待でき、採算性確保は可能との見方を示した。
【写真説明】官邸で河村官房長官と会談後、記者会見する二井知事(左)と福田市長