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2009年01月27日(火) 12時12分

たった1日で6万人!…米主要企業でリストラ急加速読売新聞

 【ニューヨーク=池松洋】世界的な景気悪化で業績が落ち込んでいる米企業が大規模なリストラを打ち出した。

 米主要企業の人員削減数は26日に発表された分だけで約6万人に達した。2008年10〜12月期決算発表がピークを迎えて業績不振が鮮明になる中で、大型リストラで経営のテコ入れを図る狙いだ。主要企業で加速する人員削減は、雇用不安を一段と強め、米経済を支える個人消費にも深刻な影響を与えそうだ。

 建設機械大手キャタピラーが26日発表したリストラ策は、全従業員の約18%にあたる約2万人の削減だ。08年10〜12月期決算の純利益は前年同期比32・2%減の6億6100万ドルと大きく落ち込んだ。景気悪化にともなう建設需要の減少は長期化する見通しで、リストラ策は、09年も厳しい事業環境は続くと見込んだうえの決断だ。

 製薬最大手ファイザーは26日、米同業ワイスを680億ドル(約6兆円)で買収すると発表。その一方で両社合計で1万9000人を削減する方針を打ち出した。08年10〜12月期決算で純利益は同90%の大幅減。大規模な合理化を実行しなければ、統合効果を引き出せないと判断した。

 26日はこのほか、携帯電話大手スプリント・ネクステルが8000人、日用品販売大手ホーム・デポが7000人、半導体大手テキサス・インスツルメンツが3400人、自動車大手ゼネラル・モーターズが2000人などと相次いで大型リストラを発表した。

 大規模な人員削減は昨秋までは、金融や自動車など一部の業種に集中していたが、年明け以降は、ほぼ全業種に大型リストラの波が広がっている状況だ。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081209-206556/news/20090127-OYT1T00511.htm