厚生労働省は26日、雇用対策の一環として、全国各地の認可保育所で、失業者を職員として採用する制度の検討を始めた。
保育経験のない失業者の一時雇用を想定しているが、保育士養成の専門学校に通うための支援などを行い、将来の正規雇用につなげる狙いもある。3年間で数万人規模の雇用確保を目指す。
資格のない人の場合、専門学校に通うことを条件に補助的な仕事を担当してもらい、専門学校の費用は国が助成し、保育所に就職すれば返済の一部を免除する案などが浮上している。保育所で働きながら学べるカリキュラムなども、今後、詳細を詰める。保育士の資格を取るには、短大・専門学校を卒業する以外にも、2〜5年の実務を行うなどした後に保育士試験を受験する方法がある。こうしたケースに関しても、支援策を検討する方針だ。
厚労省は省内にプロジェクトチームを設置し、医療や介護分野などでの人手不足解消を図ると同時に、雇用情勢の改善に寄与する施策の検討を進めている。全国約2万2000の認可保育所で働く保育士は約34万人。同省の推計では、待機児童の解消を目的に保育所を増設したり、少子化対策の効果で児童数が増加したりすれば、2020年ごろには、さらに7万人以上の保育士が必要になる。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081209-206556/news/20090127-OYT1T00177.htm