2009年01月27日(火) 19時40分
金融不安再燃で「守りの資産」に注目 金の国際価格が3ヵ月半ぶり高値(MONEYzine)
27日、株式市場では三菱マテリアルや住友金属鉱山など非鉄金属業界の株価が軒並み上昇した。三菱マテリアルは前日比26円高(12.5%増)の234円まで上昇。住友金属鉱山は同93円高(11.2%増)の922円まで買われた。
不景気の中、投資家が積極的に投資に走ったのは安全資産として「金」の存在感が高まっているため。金は以前から「有事の金」として資産の一部を緊急避難させたり、資産全体の目減りを防ぐといった「守りの資産」として世界中の資産家や投資家から重宝されてきた。
欧州では英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が過去最大の赤字に陥っており、2008年通期決算で280億ポンド(約3.4兆円)の損失となる見通しを発表するなど金融システム不安が再び広がっている。市場では「英国の金融システムが破綻するのでは」などの憶測が広がり、20日には対円で最安値を更新するなどポンド売りが進んでいる。またギリシャ、スペイン、ポルトガルなども同様に危険な状態で、欧米を中心に金融不安がぶり返していることから安全資産として信用リスクのない金を買う動きが広がっているようだ。
26日のニューヨーク商品取引所(COMEX)でも金先物相場が上昇。中心限月の2月物は08年10月10日以来の高値を付ける場面があった。また同日のロンドン金属取引所(LME)でも、銅3カ月先物相場が大幅続伸し、昨年12月2日以来約2ヵ月ぶりの高水準を付けている。これらが三菱マテリアルや住友金属鉱山など非鉄金属業界の業績が上向くプラス材料になると投資家に受け取られ買いが膨らんだ。
金の国際価格は過去数年間にわたって右肩上がりの上昇を続けてきた。中国やインドなどの新興国、中東の産油国で金の購買意欲が強く、投資の他にも宝飾品用として需要が拡大してきたことも金価格の上昇材料となった。しかし過熱気味だったことから08年10月下旬にいったん600ドル後半まで下落し、その後にまた反転、09年に入ってからは800ドル台半ばでもみ合う展開が続いていた。
金融危機の影響で米ドルやポンド、ユーロの避難先として脚光を浴びている金。実物資産でありながら「代替通貨」としての性質もあわせもつ金の人気は金融不安が解消されない限り、しばらく続きそうだ。
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