今年3月の千葉県知事選(3月12日告示・29日投開票)で、元衆院議員で俳優の森田健作氏(59)が26日、千葉市内のホテルで記者会見し、立候補を正式に表明した。「この4年間歯を食いしばって突っ走ってきた」と意欲を語ると同時に、落選した場合は政治活動から退く考えも明らかにした。政党の支援を受けず、無所属で出馬する意向。惜敗した前回05年の知事選での雪辱を目指し、最初で最後のリベンジマッチに臨む。
「負けたら即引退」—。“青春の巨匠”はこの一戦にすべてをかける。
千葉市内で記者会見した森田氏は「私、森田健作は再び千葉県知事選に立候補します」と高らかに出馬を宣言。一呼吸おいて「この戦いに敗れたならば、私はもう二度と政治はやりません」と言い切った。興奮からか、目にはうっすら光るものがあった。
前回の知事選に敗れた翌日に、今回の知事選出馬を決めたという森田氏。「この4年間、あらためて千葉の魅力にひかれた」といちずな気持ちを明かした。この間、選挙用の活動はせず、千葉を舞台にした映画製作や県内の私立大の客員教授に就任し、社会人野球クラブチーム千葉「熱血MAKING」の総監督も務めるなど、千葉とかかわりをもってきた。
会見では成田と羽田の両空港を結ぶリニアモーターカー建設、東京湾アクアラインの値下げなど7つの政策を発表したが、随所に“森健節”があふれた。
過去に堂本暁子・千葉県知事(76)が成田—羽田間のリニアの可能性を「夢物語」と言及したことに触れ「だからダメなんですよ。夢を持たなかったら希望もないじゃないですか」と熱っぽく語った。一方で「光が当たれば人間は踊ろうという気持ちになる」と独特の言い回しで千葉県が持つ潜在能力を表現した。
前回は本番まで1か月程度の準備期間で参戦し、6000票差で惜敗。一方で自民党県連の支持を受けたが「ああしろ、こうしろといわれて自分自身がなくなる」と述べ、あらてめて政党の後押しは受けないとした。
また、石原慎太郎東京都知事ら首都圏の各知事や所属する芸能プロダクション「サンミュージック」の後輩タレントなどがこぞって応援に駆け付け、派手な選挙戦を展開したが、「今回は1人で思い切ってやりたいと思う」ときっぱり。「負けたら即引退」の決意の強さをにじませた。
投開票を約2か月後に控え、いまだ選挙戦は混迷模様だ。「今のことをやるのも政治ですが、子どもたち、孫たちのために政治をやらなきゃダメ」と森田氏。今度こそ男になる。
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