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2009年01月27日(火) 23時50分

公務員制度改革 人事院との協議は平行線産経新聞

 政府の国家公務員制度改革推進本部顧問会議(座長・御手洗冨士夫日本経団連会長)は27日夕、首相官邸で会合を開き、平成24年までに行う公務員制度改革の工程表の最終案を大筋で了承した。幹部職員人事を一元管理する「内閣人事局」は「内閣人事・行政管理局」へ名称変更された。ただ、同局への機能移管をめぐる甘利明行政改革担当相と人事院側の交渉は同日でも決着せず、政府が30日に目指していた公務員制度改革推進本部(本部長・麻生太郎首相)の決定が来月にずれ込む可能性も出てきた。

 工程表では、人事・行管局は内閣官房に「22年4月をめど」に設置し、局長は官房副長官が兼務する。官邸主導で各省の組織や人材配置を決める政府の人事管理の「戦略中枢機関」と位置付け、各省による縦割り行政の排除を目指す。

 22年中はこのほか、労働協約締結権を付与する公務員の対象を決めることなどに必要な法案を提出、23年は定年延長などで結論を出す。24年には首相を補佐する30人以内の「国家戦略スタッフ」を内閣官房に置くなど、新たな人事制度を全面実施するとしている。

 ただ、人事・行管局の制度設計で人事院が反発を続けている。谷公士総裁は23、26の両日に甘利氏と会談、人事院の一部機能を移管することに対して「政治主導が強まれば公務員の立場を守る仕組みも必要だ」「公務員の公正・中立性が阻害される」と訴え、27日には河村建夫官房長官にも同様の主張を繰り返した。

 甘利氏らも麻生首相が支持していることを強調しながら、「礼は尽くすが、基本を曲げることはできない」(同氏)、「人事院の機能を移してもらわなければ、公務員制度改革が中途半端になってしまう」(鳩山邦夫総務相)などと人事院への圧力を強めている。河村氏は、谷氏との会談後の記者会見で「最終的には首相の裁断をいただくことになる」と、首相裁定に持ち込まれる可能性を示唆した。

 一方、自民党は27日に開かれた行政改革推進本部役員会で、甘利氏らと人事院とで支持する意見が割れた。幹部の一人は「役所の権限争いに付き合う必要はない」と、内閣と人事院の戦いに発展していることに危惧(きぐ)を示した。

 裁定について首相は27日夕、首相官邸で記者団に対し「その段階ではない。河村、甘利両氏で調整する段階だ」と引き続き推移を見守る姿勢を示した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090127-00000638-san-pol