2009年01月27日(火) 22時17分
<ペット飼育>町営住宅の空室使いモデル事業 北海道(毎日新聞)
公営住宅でのペット飼育をめぐるトラブルが各地で相次ぐ中、北海道空知管内上砂川町は町営住宅の空室を利用し、ペット飼育を認めるモデル事業を2月1日から始める。他市町村から移住者を募って人口減少に歯止めをかけるのが狙い。公営住宅でペット飼育を認めるのは極めて異例で、関心を集めそうだ。
公営住宅で犬や猫を飼うことは公営住宅法や自治体の条例で事実上禁止されているが、飼育している人もいるのが実情。「鳴き声がうるさい」「においがひどい」などの苦情が出て、自治体が注意しても従わない事例が相当数あるという。
上砂川町の人口は炭鉱全盛期の1952(昭和27)年の3万2000人をピークに減り続け、08年12月末には4191人になり、町営住宅の空室化も問題になっていた。このため、室内用の小型の犬や猫2〜3匹程度に限って飼育を認めることで入居者を募ろうと、事業を考案した。
町営住宅は町中心部から2キロほど離れた山あいの東町団地(164戸)。炭鉱住宅跡地に82〜84年に建設され、現在は半数近くが空いている。団地のほぼ中央にある共同浴場西側の2階建て8戸入居の建物のうち、3棟の18戸を事業対象にした。地域住民の理解も得ているという。
間取りは3LDK(68.79平方メートル)。家賃は所得に応じ1万3700〜3万6300円。入居の際、退去時にペットによる修繕や脱臭処理などのため、敷金と合わせ10万円が必要。1日からホームページで事業を紹介、住宅見学にも応える。
道内では岩見沢市の市営住宅で10匹以上の猫を飼育し、住民からの苦情が多かった入居者に対し、市が条例に基づき08年11月、明け渡しを求めて岩見沢地裁に提訴し今年1月に退去した。道は事業について「道内では聞いたことがない。入居者のモラルが重要になるだろう」と話す。
問い合わせは上砂川町建設水道課土木建築係(0125・62・2011内線351)。【西端栄一郎】
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