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2009年01月27日(火) 22時01分

民主、09年度予算の「予行演習」=神経とがらす与党時事通信

 2008年度第2次補正予算をめぐる衆参両院協議会での与野党攻防は27日、ようやく決着した。民主党は09年度予算案の審議でも両院協議会を抵抗の場として活用する構えで、与党からは両院協での再度の「全面衝突」を警戒する声が上がっている。
 通常は即座に結論が出る両院協議会。民主党がその両院協の引き延ばしを図り、2次補正の成立をずれ込ませたのは、2次補正に盛り込まれた定額給付金の撤回を求める姿勢をアピールする狙いからだ。
 2次補正で自民党内の造反を誘い、衆院再可決を阻止する戦術は不発に終わったが、依然として給付金への世論の評価は芳しくない。支給に当たっては、基準日の2月1日時点で住民登録がないホームレスへの対応など混乱も予想されることから、給付金へのスタンスを改めて鮮明にしておく必要があると判断したわけだ。
 衆院解散・総選挙をにらんだ思惑もある。09年度予算案についても、両院協などで徹底して引き延ばしに出て成立を阻止すれば、麻生太郎首相を「話し合い解散」に引き込むこともできる−。民主党内ではこうした声が出ており、党幹部の1人は27日、「今回は09年度予算案に向けた予行演習だ」と語った。
 一方の与党。自民党の大島理森国対委員長は両院協終了後、公明党の漆原良夫国対委員長を伴って河野洋平衆院議長と国会内で会い、「両院協議会はこれまで良き慣例でその日のうちに整理、処理されてきた」などと、「野党の横暴」を訴えた。
 今回の民主党の抵抗戦術は結局、2日間で収束したが、09年度予算案での民主党の出方に与党は神経をとがらせており、公明党幹部は「民主党はまた協議会の開催を妨害したり、議事を引き延ばしたりするに違いない」と表情を曇らせた。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090127-00000194-jij-pol