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2009年01月27日(火) 21時28分

<両院協>引き延ばし、民主内にしこり残す毎日新聞

 民主党が08年度2次補正成立を巡って仕掛けた両院協議会引き延ばし戦術は、政府4演説を与党の想定より1日後の28日にずれ込ませただけで収束した。「審議拒否」イメージを嫌う衆院側は一貫して盛り上がりに欠け、矢面に立たされた参院側からは「戦略が見えなかった」(中堅)との恨み節も漏れた。

 両院協を舞台に引き延ばしを思いついたのは菅直人代表代行だ。しかし、実行には参院側の協力が不可欠。菅氏の意を受けた石井一副代表が25日夜、東京都内のホテルに輿石東参院議員会長、西岡武夫参院議運委員長と集まり、委員の顔ぶれなどを相談した。

 こうして26日始まった両院協は、議事録の扱いを巡る入り口論でいきなり膠着した。「打ち合わせはほとんどなく、きわどい闘いだった」とある委員は振り返る。委員は石井、西岡両氏や両院協議長を務めた北沢俊美副代表らベテランぞろい。あの手この手で27日に両院協決着を持ち越すことに成功した。

 一方で衆院側の空気はさめていた。「審議拒否と見えてイメージが悪い」との受け止めが大勢だったからだ。26日夜の幹部会では、仕掛け人の菅氏自ら「もうそろそろいいんじゃないですか」と打ち切りを提案。「あなたが火を付けたんじゃないか」と反発した輿石氏が「政府4演説を強行してきたら本会議に出席するのか」とただすと、鳩山由紀夫幹事長は「衆院は出たいという人が多いですよ」とあっさり。衆参のちぐはぐぶりが際立つ場面だった。

 両院協を巡る騒動が終わると、民主党は早くも09年度予算案審議に向けた対決姿勢をあらわにした。鳩山氏は27日、2次補正成立を受け、国会内で記者団に「消費税の問題、定額給付金も終わっていない。民主党政権でこういう日本になるというものも提示したい」と強調した。【上野央絵】

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