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2009年01月27日(火) 21時21分

<米排ガス規制>環境対応車で日本先行、「追い風」の声も毎日新聞

 オバマ米大統領が26日、自動車の排ガス規制を強化する方針を表明したが、国内の自動車業界からは「規制強化はむしろ追い風」(自動車大手幹部)と歓迎する声が多い。環境技術で先行しているためで、環境対応車向けの装置などに強みをもつ企業では「ビジネスを後押ししてくれそう」(関係者)と期待が高まっている。

 オバマ大統領の施策は、先進国の中で出遅れていた米国の排ガス規制を日欧並みの水準に引き上げるもの。具体的な内容は今後詰めるが、一部車種の販売が規制されたり、売れ筋車種を大型車から小型車に変えるよう促す可能性がある。

 日本メーカーは元々、燃費のよい小型車が得意なうえ、ハイブリッド車開発などでも先行。さらに米国で取り扱う車種の多くは、世界中で販売することを前提に日欧の規制にも適合するよう設計しており、「販売や生産戦略を大幅に見直す必要はないだろう」(大手幹部)との見方が強い。ホンダは73年当時、世界一厳しいとされた米大気浄化法(マスキー法)に適合する車を開発し、米国での知名度を一気に高めた経緯もあり、「むしろ販売増の好機になるかもしれない」(中堅幹部)との声まで上がる。

 ただ、自動車各社は環境関連の技術開発費に年間数千億円の巨費を投じている。中堅クラスは単独では開発を続けられないほどの負担で、規制強化を契機に業界再編が進む可能性もある。

 一方、ディーゼル車向け排ガス浄化装置(DPF)で世界2強のイビデン(岐阜県大垣市)と日本ガイシ(名古屋市)は規制強化に強い期待を寄せている。イビデンは昨春、米国のDPF工場建設計画を見送り、日本ガイシも09年9月に予定していたメキシコ工場の稼働を1年程度延期した。しかし、「燃費規制の強化でクリーンディーゼル車の導入が進めば、DPF事業を拡大するチャンスが生まれる」(イビデン広報)と新政権の動きを歓迎している。【宮島寛、中井正裕】

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