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2009年01月27日(火) 21時02分

「仕事ない」内定辞退を強要される 鳥取の学生2人産経新聞

 鳥取環境大(鳥取市)の男子学生2人が就職内定先の企業から内定を辞退するよう強要されていたことが27日、分かった。内定取り消しを行うと、補償金を支払ったり、悪質な場合は社名公表されるケースもあるため、内定者が自主的に辞退する体裁を取ることにより、企業側がデメリットを回避しようとした疑いがあるといい、鳥取環境大は「企業側の責任逃れで悪質だ」として鳥取労働局に経緯の報告を行った。

 大学側によると、「内定を辞退してくれ」と学生に迫ったのは、東京都内の大手外食チェーン経営会社と大阪市のソフト開発会社の2社。男子学生2人は昨年中に、就職が内定していたそれぞれの会社から呼び出しを受け、「やってもらう仕事がない。内定辞退してくれ」などといわれたという。

 外食チェーンはその後、「うちには来てもらえなくなったが、グループ内の別の会社を紹介する」と態度を変えたが、学生は応じなかった。就職課は「学生は『これは内定取り消しですよね』と念を押したが、会社側は言葉を濁した」と憤っている。2人は今も就職活動を続けているという。

 厚生労働省職業安定局の担当者は「こうしたケースはあまり聞いたことがないが、仮に企業側が内定取り消しによるデメリットを避けるために内定辞退を強要したのであれば、好ましくない。労働局は問題があるのかどうか、事例ごとに状況を調べる必要があるだろう」としている。

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