2009年01月27日(火) 20時58分
<2次補正予算>成立 両院協不一致、衆院優越規定で(毎日新聞)
総額2兆円の定額給付金を盛り込んだ08年度第2次補正予算が、27日夕、憲法60条の衆院優越規定に基づき、成立した。両院協議会が本会議に先立って開かれ、与野党の意見が一致しないことが確認されたため、憲法60条の規定で衆院の議決が優先された。河野洋平衆院議長が衆院本会議で、「衆院の議決が国会の議決とする」と宣告した。これを受け、与党は、同日に実施する構えを示していた麻生太郎首相の施政方針演説など政府4演説を28日午後に先送りした。2次補正の成立で、与野党攻防の焦点は09年度予算案に移る。
27日の国会は、河野衆院議長と江田五月参院議長が仲裁に入ったことをきっかけに正常化に向け動き出した。午後に2回開かれた両院協は民主党が抵抗せず、計2時間強で終了した。
その後、両院協の報告を受けた河野議長は、自民党の大島理森国対委員長らを呼び、「09年度予算案の審議を円満な形で始めてもらいたい」と政府4演説の延期を要請。大島氏と民主党の山岡賢次国対委員長の会談を経て、28日への延期が正式に決まった。民主党が、両院協終了と2次補正成立を容認するかわりに、与党が4演説を延期することで妥協が成立した形だ。
また、大島氏と山岡氏は、(1)28日の4演説実施(2)29、30両日と2月2日の衆参両院での代表質問−−を「いかなることがあっても誠実に実現する」とした確認書に署名。2月3日からの衆院予算委員会開催でも合意した。
民主党は29日の衆院代表質問に、鳩山由紀夫幹事長と、統一会派を組む田中真紀子元外相の2人を起用する。田中氏の「破壊力」(国対幹部)に期待して麻生政権との対決色を強める。予算審議では(1)消費税(2)天下り(3)道路特定財源の一般財源化(4)雇用問題を重点的に追及。特に官僚OBが天下りを繰り返す「渡り」では、自民党内での反対論も強まっており、政府の提出資料を分析して実態を解明し、自民党内の亀裂を深める材料を探す。
また、定額給付金の財源を確保するための関連法案の参院での採決は保留し続け、与党を揺さぶるカードを温存する構えだ。
麻生首相は2次補正成立を受け、「雇用対策、生活支援という生活に直結したものが通ったのは大変良かった」とした上で、「定額給付金を早く配れるよう、関連法案の成立が気になる。民主党の反対で60日間かかりかねない」と参院での早期採決を求めた。官邸で記者団に語った。【田中成之】
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