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2009年01月27日(火) 18時57分

「巨人」はゴヤの弟子作品、「未熟」とプラド美術館が結論読売新聞

 【パリ=林路郎】スペインのプラド美術館(マドリード)は26日、長く画家ゴヤ(1746〜1828年)の作品とされてきた同美術館所蔵の油彩画「巨人」について、実際はゴヤの影響を受けた弟子のアセンシオ・フリアの作品と考えられる、との最終調査結果を発表した。

 同美術館は昨年6月、「ゴヤの作品ではない」との中間調査結果を発表し、専門家による調査を続けていた。

 最終調査結果では、「巨人」の肉体の描写、光の表現、色遣いなどにゴヤのものとは思えない技術的な未熟さが見られるほか、作品左下の「AJ」という署名がフリアの作品であることを示していると判断した。

 「巨人」が1931年に同美術館に持ち込まれた当時、同国では王政が廃止され、スペイン内戦に突入していく混乱期にあったうえ、ゴヤの弟子たちに関する知識も不足し、絵画の調査技術も十分でなかったことが誤認の背景にあるという

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090127-00000038-yom-soci