2009年01月26日(月) 11時45分
「婚活ブーム」の一方で 結婚紹介業への苦情増加(J-CASTニュース)
結婚のための活動「婚活」がブームとなり、「手軽に相手を探せる」と結婚相手紹介サービスに注目が集まっている。ただ、「中途解約金が返ってこない」「料金体系やサービス内容が事前の説明と違う」といった入会者からの苦情が全国の消費生活センターに寄せられ、その数は年々増えている。契約時にサービス内容、料金システム、解約時の条件などをきちんと確認していないこともトラブルの原因にあるようだ。
■消費生活センターに寄せられる相談件数年々増える
角川クロスメディアが運営する結婚情報サイト「ウェディングウォーカー」が会員287人(女性214人男性73人)に実施した婚活に関する調査によると、具体的に行っている活動として「友人の紹介」(46.6%)を挙げた人がもっとも多く、「合コン」(13.2%)、「職場での出会い」(15.6%)と続く。「お見合いパーティ」(4.5%)や「結婚相談所」(2.4%)を利用する人もいる。また、交際に発展した割合は、「結婚相談所」が71.4%、「お見合いパーティ」が61.5%で、「合コン」(54%)「友人の紹介」(46.2%)に比べて高い。結婚に進展した割合も、「結婚相談所」が67.6%、「お見合いパーティ」が50%で、友人紹介(46.7%)や合コン(40%)を抜いている。調査は2008年8月19〜26日にインターネットで実施した。
結婚相手紹介サービスを利用するには登録料や月会費、成婚した場合の手数料などがかかり、年間総額は平均30万円になる。お金はかかるが、「手堅く結婚相手を探したい」という婚期が迫った男女に人気のようだ。
「婚活ブーム」で結婚相手紹介サービスが注目を集めている一方、トラブルも増えている。国民生活センターによると、全国の消費生活センターに寄せられた「結婚相手紹介サービス」に関する相談件数は年々増えており、06年2848件、07年2975件、08年は12月18日現在で1946件と前年同期に比べて130件多い。「中途解約金が返ってこない」「料金体系やサービス内容が事前の説明と違う」という相談が目立つ。具体的にはこんな苦情だ。
「1年程前、結婚紹介サービス契約をした。世界各地から希望に合った人を探し出すというプランだが、思っていたほど紹介がない」
「結婚相談所の契約を中途解約した。3か月以上経つのに解約金が返金されない。取り戻す方法はないか」
「結婚情報サービスの2度目の更新が出来なかった。『契約を続行するかどうかは当社が決める』というが、会員期間が分かりにくく問題だ」
また「Yahoo!知恵袋」には、こんな相談が書き込まれている。
「最近、(登録している)結婚相談所がインチキをしているのでは? 詐欺に引っかかってしまったのでは? と思えるようになりました」
33歳の男性は結婚相談所が主催している「お見合いパーティ」に参加料4000円を払って出席した。1週間後、パーティで知り合った意中の女性と「カップル成立した」という電話が相談所からあり、その後の段取りを聞くとこんな説明を受けた。
「まず当所の会員となり、今日から1か月以内に、2年分の会費として32万円分収めなければ、その女性には会えない。32万円の入金が確認されて初めて、その女性とお話しする機会が与えられる。また、その女性との縁が結ばれなくても、別の女性を月2名紹介するサービスを2年間提供する」
■「結婚相談所がインチキをしているのでは?」
結局、男性は32万円を支払って会員になった。「私は33歳ですが、今も独身で、これを逃すと一生結婚できないかも…という弱みがありました」と明かす。意中の女性と出会うことはできたが、それっきりだった。それから月に1度、女性を2人ずつ紹介してもらい、もう8人ほど申し込んだが、1度も返事がないという。
回答の中には「パーティで会った女性はサクラだったのではないか」という意見もみられる。というのも、その回答者(男性)は同様のケースでサクラのバイトをしたことがあるそうだ。サクラかどうか真相はわからないが、問題があるケースもなくはないようだ。
東京都が運営する情報サイト「東京くらしWEB」には、新聞広告を見て結婚相談所に行ったという20歳代女性からの苦情が紹介されている。
相談所の担当者に、「男性は一流企業勤務。今日入会すればこの人を紹介できる」と言われ、写真を見せられた。サービス利用期間1年間、約20万円の契約をし、しばらくして第1回目の紹介写真とプロフィールが届いたが、そこに勧誘の時に見せられた男性の写真はない。相談所に問い合わせると「(男性は)退会した」と言われ、信用できないので解約したいと思っている。
別の20歳代女性は、ネットで見つけた結婚相手紹介サービスを利用している。もっぱら外国人の相手を紹介する業者だが、今まで紹介された外国人男性は結婚の意志がなかったり、著しく高齢だったりして、とても適当とは思えない。業者に抗議しても誠意ある対応をしてくれないという。
東京都消費生活総合センターの相談担当者は、こう忠告する。
「『結婚』という夢を描いて事務所を訪れて、サービス内容や料金システム、中途解約する際の違約金などを確認せずに入会してしまう人が多く、後々『こんなはずじゃなかった』というトラブルを招いています。『必ずうまくいく』『だいたいの人が結婚できる』というセールストークに乗せられず、結婚できるかは相性の問題もあるので、期待とマッチしないこともあるとわかって、契約するのをおすすめします」
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