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2009年01月26日(月) 00時00分

保守王国でも自民離れ 選挙戦略抜本直しへ中国新聞

 【解説】二十五日の山形県知事選で民主党などが支援した新人の吉村美栄子よしむら・みえこ氏が、自民党の大半が推す現職を退けた異例の事態は、自民党の支持基盤が強固で「保守王国」と言われてきた山形でも有権者の自民党離れが進んでいる現状を鮮明にした。自民党は年内の次期衆院選に向け、選挙戦略の抜本的な見直しを迫られそうだ。

 両氏とも政党の推薦は受けておらず、保守分裂となった二〇〇五年前回知事選のしこりも影響した側面はあるが、選挙結果は自民党に対する国民の視線が依然として厳しいことを実証。今年初めての事実上の「与野党対決」選挙で敗北したことにより、支持率低迷が続く麻生政権にとっても痛手となった。

 民主党などがバックアップした吉村氏は「県知事は自民党のものではない」と政権批判を強めて攻勢。選挙戦後半には民主党の小沢一郎代表や衆参国会議員も応援に入って政党色を前面に出し、国政レベルの対決構図に持ち込んで無党派層の取り込みにも成功した。

 現職の斎藤弘さいとう・ひろし氏は「県民党」を掲げ、一期目の実績をアピール。自民党の加藤紘一元幹事長ら地元選出衆院議員や県議らが応援、知名度を生かして選挙戦序盤は優位に戦いを進めたが、政権批判をかわしきれなかった。

 吉村氏は、東北初の女性知事となるが、定数四四の山形県議会で最大会派の自民党との対決も予想され、難しいかじ取りを迫られそうだ。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901260073.html